【体験談】ディスレクシアじゃない子どもだって、読みやすいUDフォントにしてほしい!

支援担の目線

中学校の特別支援学級担任が自分の考えを広く知ってもらうために書くブログ『シエンタン ドットコム』をご覧いただきありがとうございます!

小学生の娘が、宿題にあった分からない問題を質問にきました。

見てみると、「答えが分からない」のではなく「文字が読み取れない」(印刷ミスではなく)ということでした。

今回はそのエピソードをもとに『ディスレクシアじゃない子どもだって、読みやすいUDフォントにしてほしい!』という記事を書きます。

学校の先生はもちろん、わが子の「読む力」が気になっている親御さんにも読んでもらいたい内容です。

読みやすいUDフォントは、ディスレクシアの子どもだけでなく全ての子どもにとってメリットがあります。

特別な理由がない限り、学校で使用するフォントはUDフォントがデフォルトで良いのではないでしょうか。

※ディスレクシア:知的な遅れはないが読み書きに著しい困難をきたす症状

目次

読めなかった文字

娘がつまずいた問題は「ローマ字で書かれた単語を読む」というものでした。

似た問題を用意したので読んでみてください。

いかがでしょう?

答えは「たけのこ」ですね。

ほとんどの人にとって難しい問題ではなかったと思います。

では、なぜ娘はこれが読めなかったのか。

形が微妙に違ったから

原因はこれでした。

赤い○の部分がポイント

娘いわく、「こんな形のアルファベットは習っていないし、ローマ字の表にも載っていない」と。

娘が見比べていたローマ字の表はこうなっていました。

娘は直線で構成された「t」しか知らなかったのです。

知識だけでは解けない問題だった

「 t 」と「 a 」を組み合わせると「 た 」になることが理解できているか問いたかったのでしょう。

しかし、この問題で問われた力はそれだけではありませんでした。

いつもと違う形のアルファベットを自分の知っているアルファベットに置き換える力も問われていたのです。

この問題を解くために脳内ではこういう処理が行われるのだと思います。

  1. アルファベットの「 t a k e n o k o 」が並んでいる!
  2. 母音と子音を組み合わせると「 ta = た ke=け no=の ko=こ 」になる!
  3. 読み方は「たけのこ」だ!

ですが、娘の場合はこうだったのでしょう。

  1. アルファベットの「 ? a k e n o k o 」が並んでいる!
  2. 母音と子音を組み合わせると「 ?a = ? ke=け no=の ko=こ 」になる!
  3. 読み方が分からない!

出だしの「アルファベットの識別」が瞬時にできる大人はその過程があることすらを忘れがちなのです。

大人にも同じことは起きる

でも大人にもこういうことってありませんか?

達筆な文字で書かれた書道の作品が読めない。

デザイン文字で書かれたお店の名前が読めない。

ひらがな・カタカナ・アルファベットのはずなのに…

つまり、目にした文字を自分の知っている文字に置き換える処理は大人も必ずしているわけです。

それが瞬時にできるのはこれまで様々な文字をたくさん読んだ経験によって培われた能力なのです。

文字に触れる機会がまだ少ない子どもはその力が未熟なのです。

読めない問題の欠点

「そんなことは分かっている。それも含めて問題を解く力じゃないか。」という先生がいるかもしれません。

ただ「何のためにその問題を出したか」を忘れてはいけません。

「足の速さを確かめるためにハードル走のタイムを測定します!」

「足の速さを確かめる」という目的に対して、手段が適していると思いますか?

これではタイムが遅い子の中に「足は遅くないけどハードルを跳ぶのが苦手な子」まで含まれてしまいます。

「本当に足が遅い子」が見つけられなくなるのです。

「たけのこ」の問題も同じです。

「 t + a = た を理解できていない子」を見つけるための問題だったはずが、

「 t が ティー だと認識できない子」まで一緒に引っかかってしまいます。

そのことに気づかず、誤った見立てをもとに的外れな指導が行われるのが最悪のパターンです。

「もう一度、母音と子音の組み合わせを確認しようか!」

と言っても、もうそこはクリアできているのです。

そうならないためには教員が意図したところ以外でつまずく子を出さないことです。

そのためにできる最も簡単な配慮の一つが「UDフォントの使用」です。

UDフォントとは

UDフォントの「UD」はユニバーサル・デザインの頭文字。

年齢や能力を問わず、多くの人にとって読みやすい文字として作られたのがUDフォントです。

中でも株式会社モリサワが提供している「UDデジタル教科書体」は教育現場での使用を想定して作られたフォント。

なんとWindows 10には標準搭載されています。(Word・Excel・PowerPointで使えます)

もはや使わない方が不思議ですよね。

学級通信等の学校からのお便り、内容だけでなくデザインもチェックしている親御さんがいますよ。

ちなみにUDデジタル教科書体で表記した「takenoko」はこちら。

縦線だけで構成された「 t 」です。

これだったらうちの娘も「たけのこ」と読めたはず。

そのつまずきによってローマ字に対する苦手意識を持つこともなかったわけです。

子どものためにも 教員のためにも

読みづらいフォントを使うとそれを読む子どもが困るだけでなく、子どもの実力が正確に把握できないため教員にとってもデメリットになります。

子どもの不必要なつまずきを無くし、適切な学習指導を施すにはUDフォントが効果的です。

きっとあなたのパソコンにも入っていますので積極的に使ってください。

今回の話題と合わせて触れたい『つまずきの原因を誤解するとその後の指導が空振りする』という話はまたいつか。

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